地鎮祭は「晴れの日」とは限らない
こんにちは、ポニーです。今日は、雨の日に地鎮祭を行うときの注意点や、晴れの日との違いについてご紹介します。
実は、わが家の地鎮祭はあいにくの大雨…。当日は不安とバタバタの連続でしたが、事前にしっかり準備をしていたおかげで、無事に滞りなく終えることができました。
この記事では、そんな実体験も踏まえながら、雨の日の地鎮祭をスムーズに行うためのポイントをまとめています。
地鎮祭とは?簡単におさらい
地鎮祭とは
家や建物を建てる前に、その土地の神様(氏神様)に工事の安全と家族の繁栄を祈願する、日本の伝統的な儀式です。
主催は、神主さんです。
なので地鎮祭のお布施はあくまで“神主さんへの謝礼”として、「初穂料」または「玉串料」をお渡しします。
(ハウスメーカーの担当さんは日程調整や連絡のやりとりを間に入って行ってくれますが、あくまでも連絡係で、当日も同席するものの儀式を見守る立場のようでした)
一般的な流れ
【一般的な地鎮祭の流れ】
1.参列者の集合・着席
施主(家を建てる人)、施工業者、設計者、神主などが祭壇前に集まります。
2.開式の辞(かいしきのじ)
神主が儀式の開始を告げます。
3.修祓(しゅばつ)
参列者・土地・祭具をお祓いして清めます。
4.降神(こうしん)
神様をお迎えする儀式です。
5.献饌(けんせん)
神様にお供え物(米、酒、野菜、魚など)を捧げます。
6.祝詞奏上(のりとそうじょう)
神主が工事の安全を祈る祝詞(のりと)を読み上げます。
7.四方祓い(しほうばらい)
土地の四隅を神主が清めてまわります。
8.地鎮の儀(じちんのぎ)
「鍬入れの儀」とも呼ばれ、施主・施工者・設計者がそれぞれの役割で、土地を鍬や鋤で掘る所作をします。
9.玉串奉奠(たまぐしほうてん)
参列者が順番に玉串を神前に捧げて拝礼します。
10.撤饌(てっせん)・昇神(しょうしん)
神様をお送りし、お供え物を下げて儀式を終えます。
11.閉式の辞(へいしきのじ)・記念撮影など
神主が儀式の終了を宣言し、記念撮影をすることも多いです。
所要時間は30分〜1時間ほどで、場所は更地のままか、テントを設置します。
最近増えている「略式地鎮祭」とは
これまで一般例をまとめましたが、最近では宗教や儀式の簡略化もあって(結婚式も盛大に行わなくなってきましたよね)、下記のような「略式地鎮祭」を行う人も増えてきているようです。
・費用や日程の都合で儀式を短縮・簡略化する
・神主を呼ばず、家族や施工業者だけで土地を清めてお祈りする
・簡単なお供えとお清めだけを行う
物価上昇や建築費の高騰、金利上昇などから、家の購入がこれまでよりシビアな時代になっているので、削れるところは削りたいという考えもとってもよくわかります。
そもそも地鎮祭って行うべき?
地鎮祭は任意の行事
地鎮祭は義務ではなく、あくまで任意の行事です。
なので我が家も迷いました。
地鎮祭を行う場合は地元の神主さんに依頼することになるのですが、我が家のエリアは初穂料45,000円が相場。決して安くはありません。このお金があったら収納を1ランクグレードアップするなぁとか外構の照明1つ追加できるなぁと頭をよぎる私・・。
「迷ったときは親御さんにもご確認を」と営業担当の方に言われましたが、
我が家は両家とも「風習うんぬんはこだわらない。自分たちの好きなようにしなさい」という考えの親で、資金援助も一切受けていないので、結局自分たちがどうしたいか?に尽きました。
地鎮祭を行う人の理由
一般的には以下のような理由から、実施する方が多いようです。
■ 地元の風習として重んじられている地域では、行って当然という雰囲気
■ 工事の安全祈願になる(職人さんへの安心感にもつながる)
■ 縁起物なので、やらなかった場合になんとなく不安になる
■ 節目として気持ちが引き締まる
■ 家づくりのスタートを家族で共有できる
我が家が地鎮祭を行った理由
結果、我が家が行うことにした理由は、【初めてのマイホームで、家族での記念を大切にしたかった】ためです。一生に何度も経験できるものではない貴重さと、子どもたちに体験させたいという思いが後押ししてくれました。実際に体験してみて、「あぁ、この場所が家になるんだなぁ」と想像しながらお祈りしたり、家族全員でわいわい言いながら鍬で土を掘る所作を行ったりと、かけがえのない体験になったので、行って本当によかったと思っています!
雨の日の地鎮祭、事前に準備しておくべきこと
1. 【服装】「きちんと×雨対応」
正装で臨むのが基本の地鎮祭ですが、雨の日は何より〈安全第一〉です。足元がぬかるみ滑りやすいだけでなく、儀式中は椅子に座りっぱなしではなく何度も立つ・座るを繰り返したり、祭壇まで歩いての所作もありますので、ヒールや革靴では危険です。レインブーツや滑りにくい靴がおすすめです。派手な色よりも、黒やネイビーなど落ち着いた色味や素材などを選べば、雨具でも「きちんと感」は出せます。
特に、小さなお子さん連れの方は、お子さんの靴も履きなれたスニーカーや長靴等を選んでみてくださいね。
2. 【持ち物】雨除け・防寒・撮影対策
〇雨具(レインコート)・・・傘でも大丈夫ですが、動きやすいのはレインコート。傘はテントに入るまでの利用に限られますが、もし横殴りの雨の場合はテント内にいても儀式中濡れてしまうのでレインコートだと安心です。
〇ハンドタオル、大判タオル・・・タクシーで現地についてもテントを張っているエリアまで数歩歩く際に濡れてしまう可能性があります。(特に子連れの場合)タオルを2,3枚持参すると安心です。
〇防寒対策(カイロ、羽織り等)・・・寒い季節の場合
〇着替え・・・特にお子さん連れの方は1セット替えがあると安心です。
〇ビニール袋・・・濡れものを入れるのに重宝します。
〇化粧ポーチ・・・写真撮影の時間が、たいてい儀式の後に設定されています。雨で乱れた顔をササッと治せる一軍化粧品ポーチがあると心強いですね。(あくまでササッと口紅塗り直すとか前髪直す程度ですが)
3. 【地面対策】ブルーシートは必須
足元の泥はね防止にブルーシートや敷板を敷く、滑り止めを設置するなどの対策をハウスメーカーや工務店側がとってくれるものか相談しておくと安心です。
4. 【神主さん・ハウスメーカーや工務店側の配慮】テント・祭壇の保護等
参列者用テントの設営、祭壇の位置変更、お供え物や紙類の保護(ビニールカバーや防水クロスで包む)は基本的には神主さんやハウスメーカー・工務店側が行ってくれます。心配があれば事前に確認しておくといいでしょう。
大雨だったからこその気づき
雨は前後の準備が大変ですが、雨だったからこそよかったと思えたこともあります。
〇雨の音が厳かな雰囲気を演出してくれた
神主さんが「今から氏神様をお呼びします」と祝詞を詠む際、サーという雨の音がなんだか神聖な空気にしてくれました。
〇家族で乗り越えた思い出として深く心に残った
雨の中、小さな子どもを連れて一緒に鍬で土を掘ったこと、活発な子どもたちがこの日ばかりは走り回ることなく、椅子にじっと座って最後までいられたことなど、いい思い出になりました。
〇神主さんの「雨降って地固まる」という言葉に救われた
有名な言葉ですが、まさにこのこと。神主さんは「台風や災害級のものではなく、このような自然の恵みのような雨は<豊かな実り><金銭UP><土地を清める>といったいい意味がございますよ」と仰ってくれました。慰めの言葉だとしても、雨でよかったなと思えたエピソードでした。
地鎮祭後の感想

大雨は大変でしたが、結果的にはとてもいい家族の思い出になりました。事前準備をしっかり行えば、雨でも心配しすぎないで大丈夫です。地鎮祭は一生に一度の大切な儀式なので、家族で素敵な時間を過ごしてくださいね!